但馬牛とは、全国のブランド牛のルーツにもなった兵庫県産のブランド牛です。しかし、但馬牛は明確な定義や特徴がわかりにくく理解している人は多くないのではないでしょうか?
そこでこの記事では、但馬牛の定義や特徴を解説いたします。そして、但馬牛のおすすめの食べ方についても解説いたします。
但馬牛の定義について
但馬牛(たじまうし)を食肉として加工した但馬牛(たじまぎゅう)は次のように定義されています。
- 但馬牛(たじまうし)を繁殖から肉牛として出荷するまで生産者が兵庫県内で管理している
- 兵庫県内の食肉センターに出荷した後、28〜60ヶ月以下の但馬牛(たじまうし)が歩留、肉質等級が「A」「B」2等級以上であること
- この時の但馬牛(たじまうし)は去勢牛(精巣を除去した雄牛)か出産をしていない雌牛である
全国のブランド牛・8割以上が但馬牛の系統
現在、全国に多くのブランド牛が存在しています。これらのブランド牛のうち8割以上が但馬牛の系統になります。例えば、次のようなブランド牛が但馬牛の系統になります。
- 神戸牛
- 松坂牛
- 近江牛
- 宮崎牛
- 飛騨牛
など
このように有名なブランド牛は但馬牛の系統です。但馬牛が良質な肉であることがわかります。
但馬牛が全国で求められる理由とは
全国のブランド牛は8割以上が但馬牛の系統であることを解説いたしました。ここでは、但馬牛が全国で求められる理由について解説いたします。
但馬牛が求められる理由は次の2つです。
- 但馬牛の優れた資質
- 厳格に守られてきた血統
但馬牛の優れた資質
1つ目は但馬牛の優れた資質です。但馬牛の肉質は赤身の中に脂肪がきめ細やかに入っており、鮮やかな霜降りがあります。また、熱を加えると霜降りがとけ、周りの赤みをほぐし柔らかい舌触りになります。
厳格に守られてきた血統
2つ目は、厳格に守られてきた血統です。但馬牛は仔牛が生まれると1頭ごとに血統を管理するための登記所が作られます。このように、但馬牛は1頭1頭厳重に管理されているため、丁寧に育てられています。
但馬牛の特徴
但馬牛は肉質の良さが特徴的です。ここでは、但馬牛の肉質について解説いたします。但馬牛の肉質は次のような特徴があります。
- 芸術的なまでの霜降り
- 甘く、質のよい脂肪
芸術的なまでの霜降り
1つ目は芸術的な霜降りです。但馬牛は筋肉に脂肪が細かく入り、これが筋繊維に混じり合い鮮やかなサシになります。このような芸術的に美しい霜降りは調理することで絶妙な舌触りになります。
甘く、質のよい脂肪
2つ目は甘く、質の良い脂肪です。但馬牛の霜降りについて解説いたしましたが、赤身肉も評価が高いです。赤身は肉繊維がきめ細かく、上品な甘みがあります。そのため、この赤身の甘みと舌触りのいい霜降りが但馬牛が評価されている理由です。
但馬牛の歴史
全国のブランド牛の8割以上の系統である但馬牛には長い歴史があります。ここでは、但馬牛の歴史をさかのぼり、但馬牛がどのように全国的に有名なブランド牛になったのかを解説いたします。
但馬牛の祖先は平安時代、農耕用として中国からやって来た
但馬牛のルーツは平安時代にまでさかのぼります。当時の日本は肉食が禁じられていたため、牛は荷物を運搬するものとして重宝されていました。但馬牛は中国から輸入され、貴族の乗った牛車を引いたり、大阪城の建築に使用されたりと活躍しました。
働きぶりを賞賛され、「1日武士」の身分を得たことも
但馬牛は食用ではなく、運搬用としてさまざまな功績を残しました。そのため、但馬牛は一般庶民よりも高い階級が与えられたと言われています。また、「1日武士」の身分を得たことがあるとも言われています。
全国の黒毛和種99.9%の祖・名牛「田尻号」
全国の和牛の約9割以上が黒毛和種と言われています。そして、この黒毛和種の99.9%は「田尻号」と呼ばれる但馬牛だと言われています。田尻号は繁殖力がとても強く、約1,400頭もの子孫を残しました。
そして、田尻号が亡くなった後も息子に当たる雄牛が多くの子孫を残し、黒毛和牛の祖となりました。
食肉文化発展のため、全国に散らばった但馬牛
荷物を運搬するために飼育されていた但馬牛ですが、明治時代に入り肉食が解禁されてからは食肉用として広まることになります。文明開化により牛肉の需要が急増し、政府主導のもと全国で地域牛の育種改良が進められていました。
そして、国民がより肉質の良い牛を求め、黒毛和種が食肉用として全国区になったのです。
但馬牛の美味しい食べ方
最後に但馬牛のポテンシャルを最大限にいかす美味しい食べ方について解説いたします。今回紹介するのは3パターンの食べ方です。どれも但馬牛の肉質のよさが最大限に引き出されているため、ぜひ参考にしてください。
サーロインの調理はステーキで決まり!
上質な肉をステーキで味わうには、サーロインがおすすめです。
ミディアムレアで肉を炙ることにより、但馬牛の霜降りの旨味を堪能できます。
脂は控えめがいいという方は、ヘレやランプといった赤身肉を選ぶとよいでしょう。
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自慢の脂を味わうなら、しゃぶしゃぶがおすすめ!
但馬牛の脂を心ゆくまで味わうなら、やはりしゃぶしゃぶです。ロース肉は融点が高いため肉崩れしにくく、軽く火を通すことで、脂身を最大限に楽しめます。
お口をさっぱりさせたい時は、タレをポン酢に変えてみましょう。味に変化をつけると、食べ飽きることなくどんどん箸が進みます。
肉はもちろん、旨味がしみ込んだ野菜が絶品の郷土料理「じゃぶ」
但馬の郷土料理「じゃぶ」で但馬牛をいただくのもオツなものです。
煮こむうちに、野菜から水分が「じゃぶじゃぶ」出てくる様子から「じゃぶ」という名前がつきました。
ネギや豆腐、玉ねぎといった野菜と但馬牛を、醤油・みりん・酒・砂糖で甘じょっぱく煮込んだこの郷土料理、ごはんが進むこと間違いありません。
まとめ
但馬牛は多くのブランド牛の系統であり、上質な霜降りと赤身の旨味が特徴です。元々、荷物の運搬用でしたが食肉用として全国の人の胃袋をつかんでいます。
この上質な肉をもつ但馬牛は1頭1頭を徹底的に管理し、味が守られています。このように、長年かけて日本人が作り上げた上質で芸術的な但馬牛を堪能したい方は、お取り寄せしてみてください!